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zoom RSS 奈良紀行 9. 法隆寺(続)

<<   作成日時 : 2017/06/24 16:50   >>

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・法隆寺(続)(4月28日)
 平成10(1998)年完成の大宝蔵院百済観音堂の本尊が百済観音である。この像は昭和初年までは金堂内に安置されていたというが、それは古代以来のことらしい。江戸時代には百済から渡来の虚空蔵菩薩像として知られていたが、明治44(1911)年に化仏を表した金銅製宝冠が寺内で発見されて、観音像であることが明らかになった。「百済観音」の名で親しまれるようになったのは、それ以後の事だというから、意外に新しいことである。
 百済観音は細身の長身(像高210.9cm)で、顔は古拙の笑いを浮かべ、目は小さくやさしい表情であり、その美しさに神秘性さえ感じられる。わが国の国宝中の国宝と言われる名宝である。私が以前訪れたのは旧大宝蔵殿時代であり、百済観音は広いスペースの一室にただ一体安置され、私はその前に佇み、長い時間見とれていた記憶がある。今回も、「あのときの感動をもう一度」という気持ちで大宝蔵院に向かったのであった。
 大宝蔵院は、中央に百済観音堂があり、その右と左に宝物類を展示する東宝蔵と西宝蔵が配置されている。外観は奈良時代の木造建築風で、宝形造りの屋根には宝珠が飾られ、金箔が輝いている。
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 中門を通って先ず西宝蔵に入った。中央手前に夢違観音、奥に玉虫厨子が、いずれもガラスケースの中に入っている。夢違観音に近づいてみるとガラスケースに天井のライトが反射して映り込み、じっくり拝観できる状況にない。左右に移動して別の方角から観ても同じである。玉虫厨子も同様。早々に諦めて、私はお目当ての百済観音堂に入った。
 今、私の手元に平成10(1998)年10月20日の新聞スクラップがある。大宝蔵院百済観音堂が完成し、落慶法要を数日後に控えて、その内容を紹介した朝日新聞の記事である。ここには百済観音堂について次のように記している。『百済観音は、免振装置のついた強化ガラスケースの中に安置される。天井は中国の竜門や雲崗の石窟を参考にしたという半円球のドームで、柱などは法隆寺の金堂に似せた。高さ6.6メートルのドームには、百済観音の光背にあるのと同じ蓮華文様を彫刻した直径2.6メートルのヒノキ製の天蓋が吊るされ、全体にシルクロードを思い起こさせるデザインだ』と。
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      (クリックを2回で実物大に拡大できます)
 百済観音堂に入ると、そこは記事にある通り豪華なお堂であった。観音像はガラスケースに囲まれて・・・。私は、像の前に立ちお顔を見上げて合掌する。その優しい優雅な姿を拝観する。しかし、ここでもガラスケースは天井のダウンライトを映して光を反射させている。左右に移動しても同じことであった。これでは静かな心で拝観することも出来ず、仏像の有難みも感じることもできない。
 私は、これは完全に光学的デザインのミスだと思う。しかも、完成時から現在まで、寺では照明の手直しをなぜしなかったのか、解っていても拝観者の気持ちなどに配慮する気がないのか。私は、裏切られたような、寂しい気持ちで大宝蔵院を後にした。
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 最後に私たちは東院伽藍に行き、夢殿の救世観音像を拝観した。
東院伽藍はかって聖徳太子の斑鳩宮があった所である。この夢殿の本尊である救世観音像は、聖徳太子在世中に太子の姿を写して造られたものと信じられ、平安時代後期以降は厳重な秘仏として伝えられてきた。明治17年にフェノロサと岡倉天心が、寺僧の強硬な反対をおしきって厨子を開扉し、仏体に巻かれた白布をといてこの像をまのあたりにしたという。いまは春(4月11日〜5月18日)と秋(10月22日から11月23日)に限って開扉されている。
 私は西側の石段を登って基壇に上がり、南側に回って拝観した。救世観音像は長い間秘仏となっていただけあって、表面の金箔がいまも燦然と輝いている。しかし、像までの距離が遠くてよく見えない。以前来た時は間近で拝観したような記憶があるのだが、記憶違いか、或は当時は堂内に入ることが許されていたのかも知れない。私はモノキュラーを取り出したが、後続の参拝客で混んできたので、堂を一周してきてからもう一度拝観した。
 救世観音像は下半身が長くのびやかな姿で、顔は慈愛に満ちた表情で神秘的でもある。この像が聖徳太子の化身と信じられてきたというのも、この表情・雰囲気からのことだろう。それも何と無く判る気がしたのだった。


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