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zoom RSS 楽劇「ジークフリート」を観る

<<   作成日時 : 2017/06/08 16:22   >>

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 6月1日、新国立劇場でワーグナーの楽劇「ジークフリート」を観てきた。「ラインの黄金」、「ワルキューレ」に続く「ニーベルングの指輪」第2夜である。若い怪力の英雄、大蛇退治や小鳥との対話、口づけで長い眠りから覚める美女・・・と居ながらにしてドイツ・メルヘンの世界を楽しめる大作である。ドイツの巨匠ゲッツ・フリードリヒの演出で、指揮は飯守泰次郎芸術監督。

 「ワルキューレ」の『あらすじ』
 ジークムントとジークリンデの遺児ジークフリートはアルベリヒの弟ミーメによって育てられ、強い若者に成長する。一方、巨人兄弟の弟ファフナーは大蛇に姿を変えて財宝を護っている。ミーメはジークフリートに大蛇を倒させ、財宝を奪う魂胆だ。ジークフリートは昔決闘で砕かれた名剣ノートゥングを直し、大蛇を退治し、指輪と隠れ頭巾を手に入れる。さらに自分に毒を盛ろうとしていたミーメを切り倒し、小鳥に導かれてブリュンヒルデの眠る岩山に向かう。途中、さすらい人(ヴォータン)に会うが、剣で彼の槍を折り、先に突き進む。そして炎を越え、ブリュンヒルデを目覚めさせ、二人は永遠の愛を誓う。

 キャストには、世界で活躍するワーグナー歌手が勢揃いした。難役と云われるジークフリートは、この役を当たり役とし、ウイーン、バイロイトなど世界各地で50回以上歌っているステファン・グールド。ブリュンヒルデ役には世界的なワーグナー・ソプラノのリカルダ・メルベート。私は、2012年6月に当劇場「ローエングリン」公演で彼女が歌うエルザを聴いたが、素晴らしかったのを覚えている。さすらい人(ヴォータン)には昨年の「ワルキューレ」で好評だったグリムスレイが引き続いての出演である。そして、ミーメ役のアンドレアス・コンラッド、アルベリヒ役のトーマス・ガゼリ、ファフナー役のクリスティアン・ヒューブナー、エルダ役のクリスタ・マイヤーは、そろって一昨年の序夜「ラインの黄金」に続いての同役出演である。
 ジークフリートのステファン・グールドは、第1幕から第3幕までの長時間をほぼ出ずっぱりで迫力ある声で謳い上げたのは流石である。特に、第1幕の形見の剣ノートゥングを再生する場面での「溶解の歌」・「鍛冶の歌」は素晴らしかった。また、第3幕最後のブリュンヒルデとの二重唱は、聴き応えがあった。ブリュンヒルデ役のカルダ・メルベートが、美しい声量のある声で歌い、第1幕から歌い詰めで疲れ気味のグールドも、それに鼓舞されて最期を盛り上げて歌い切った感がある。
 ミーメ役のアンドレアス・コンラッドは声もさることながら演技が見事で、印象的だった。ミーメはキャラクター・テノールの役で、ジークフリートとは対照的な「愛すべき小悪党」で、演技力を必要とする役と云われる。彼はこの役を得意とし、バイロイト音楽祭でも2015年・16年に歌っており、今年の夏も出演予定だというだけあって流石であった。
 日本人歌手陣は、森の小鳥役の安井陽子ら4人だけであるが、美しい声で好演だった。特に安井陽子(二期会)は、2009年11月当劇場公演の「魔笛」で彼女が歌った「夜の女王」のコロラトゥーラが素晴らしく、私はそれ以来のファンである。「森の小鳥」は普通声だけの出演で舞台に姿を見せることはあまりないが、この演出では、それぞれが小鳥の姿で木にとまって歌うという微笑ましい演出であった。
 最後に、管弦楽は東京交響楽団で、指揮は飯守泰次郎。「ジークフリート」はオーケストラの聴きどころが多い曲である。第1幕の「溶解の歌」・「鍛冶の歌」、第3幕の序曲や最後の幕切れなどで期待していたが、私の感じでは、響きが弱く、少し迫力不足に感じられ残念であった。
 会場で買い求めた公演パンフレットを後で読んでみると、オペラ芸術監督である飯守泰次郎は次のように書いている。『オーケストラの全強奏による、単純で力強いハ長調の最高潮という印象になりがちな幕切れを、より深い意味を孕んだドラマとして演奏したいと思っています』と。つまり、飯守氏は、敢えて全強奏を避けて演奏したのであって、その『より深い意味を孕んだドラマ』性を、私が理解できなかったという事かもしれない。


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コメント(2件)

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ご感想を見事に纏められて同感するところが多々ありました。ただ、私は小鳥たちのコスチュームが気に入りませんでした。声だけで良かったのではと思いました。
山田 守夫
2017/06/12 14:15
山田さん、コメントありがとうございます。小鳥たちの衣装は、たしかにグロ的な感じがしないでもなかったですね。
e-naka
2017/06/14 11:05

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