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zoom RSS 奈良紀行 7. 薬師寺 (続)

<<   作成日時 : 2016/09/21 11:40   >>

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・薬師寺 (続) (6月5日)
 玄奘三蔵院伽藍を見てから、北口から入って薬師寺白鳳伽藍を見学した。薬師寺は来るたびに復興整備が進んでいる。前回来たときはなかった大講堂が立派な姿を見せている。金堂に回ると、修学旅行の学生が大勢来ている(このページトップの写真)。この金堂にある日本一美しい仏像といわれる薬師三尊像は、やはり中高生も必見である。じっくり見て欲しいものだ。
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 金堂の前には西塔が美しく聳えていた。しかし、国宝の東塔は、解体修理のため大きな工事用の覆屋に覆われ、姿が見えない。修理の完成は平成32年の予定だそうで、その間、「凍れる音楽」という愛称で親しまれている、この塔の美しさが見られないのは残念である。
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 西塔を眺め、金堂内の国宝の仏像群を拝観してから、これまた近年復興された東回廊を眺め乍ら東院堂に行った。東院堂は鎌倉時代に再建された国宝の建物であり、白鳳時代の国宝・聖観世音菩薩像がここに安置されている。私はこの観音菩薩像を時間をかけてじっくり鑑賞した。気品と端麗さ!なんと美しい御仏なのだろう!。薬師寺の金堂薬師三尊像と東塔、そしてこの聖観音菩薩像は「美しさ日本一」の三点セットだと私は思っている。薬師三尊像は日本で一番美しい仏像であり、東塔は日本の五重塔・三重塔の中で一番美しい。そしてこの聖観音菩薩像は日本中の観音菩薩像の中で最も美しい観音像であると。
 和辻哲郎は「古寺巡礼」の中で、薬師寺を情熱をこめて絶賛している。薬師如来像については『とろけるやうな美しさ』という表現で絶賛する。そして『この本尊の雄大で豊麗な、柔らかさと強さとの抱擁し合った、円満そのもののやうな美しい姿は、自分の眼で見て感ずるほかは、何とも云ひあらはしやうのないものである』と書いている。確かに、実際に見てみないことには本当の美しさは分からないだろう。
 また、和辻哲郎は聖観音菩薩像を見た時の感動を「初版 古寺巡礼」に情熱的に記している。長くなるが引用してみる。
 『見よ、見よ、そこには「観音」が立っている。この瞬間の印象を語ることは僕には不可能である。全身を走る身ぶるい。心臓の異様な動悸。自分の息の出入がひどく不自然に感ぜられるような、妙に透徹した心持。すべてが無限の多様を蔵した単純のような、激しい流動を包んだ凝固のような、−ー−とにかく言い現わせない感動であった。 (中略) 何という美しい荘厳な顔だろう。何という力強い偉大な肢体だろう。およそ仏教美術の偉大性を信じない人があるならば、この像を見させるがいい。底知れぬ深味を帯びた古銅のつややかな肌が、ふっくりと盛りあがっているあの気高い胸は、あらゆる力と大いさとの結晶ではないか。あの堂々たる左右の手や天をも支えるような力強い下肢は、人間の姿に人間以上の威厳を与えてはいないか。しかもそれは、人間の体の写実としても、一点の非の打ちどころがない。』
後に和辻は、戦後に出版された(改訂版)「古寺巡礼」で初版の上記表現のかなりの部分を削除しているが、長い間若者たちの心を掻き立ててきた初版本を読むと、年老いた私たちの心も掻き立てるものを持っている。
 私は、この「古寺巡礼」の表現を思い出しながら、長い時間この仏像を眺めていた。

 なお、東塔を評してしばしば「凍れる音楽」という表現が用いられる。「明治時代に薬師寺を訪れたアーネスト・フェノロサが、この塔を指して「凍れる音楽」と表現した」と説明されることが多いが、「凍れる音楽」をフェノロサの言葉とするのは誤りだと指摘する文献が多数あるという。

 この東院堂の聖観音菩薩像拝観を最後に今回の旅は終わった。私たちは帰りの新幹線に遅れないよう、急いで大和西大寺駅から京都に向かったのだった。 



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