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zoom RSS 京都紀行 8. 勝持寺・願徳寺

<<   作成日時 : 2016/06/02 19:05   >>

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・勝持寺 (4月6日)
 京の西山連峰の麓に位置する勝持寺は、天武8年(679)に天武天皇の命により創建されたのが始まりという古刹である。承和5年(837)仁明天皇の勅により塔頭四十九院を建立されたが、応仁の乱で仁王門を除きすべて焼失した。現在の建物はその後再建されたものだが、唯一仁王門(上の写真)だけが当時のものである。この仁王門を入って、長い坂を登ってゆくと、勝持寺と願徳寺が並んで建っている。
 勝持寺は、別名「花の寺」ともいう桜の名所で、平安時代の歌人、西行は保延6年(1140)、この寺で出家・落髪している。西行23歳の時である。西行は勝持寺に庵を結んで、鐘楼堂の近くに一株の桜を手植えし、それを愛でて月日を過ごしたという。その桜は「西行桜」として今も受け継がれている。
 境内に入ると、「西行桜」の他にも多くの桜があり、ちょうど満開、寺はほぼ桜一色であった。まさに、花の寺・桜の寺である。
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 西行は“桜”の歌人であった。桜を詠んだ歌は230首に及ぶと云う。誰もが知っている西行の歌に、
  願はくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 望月のころ
がある。
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 また、桜を詠んだ次の一首は、この勝持寺の庵で詠んだと云われている。
  花見んと 群れつつ人の 来るのみぞ あたら桜の とがにはありける
西行は桜を観るに友を求めず、ひとり花と対話し、花に満たされる心を大切にしている。だが、都から花見の客が訪れる。桜自体に罪はないのだが、その美しさが人を呼ぶ。
 この歌に関わる「西行桜」という謡曲がある。それは、西行庵の桜が盛りの頃、都から人々が花見に来るところから始まる。
〈謡曲「西行桜」のあらすじ〉
『庵の一本の桜の下、心静かに桜を楽しんでいる西行のもとに、都の人々が花見に押しかける。西行は桜のために閑居の邪魔をされることを嘆き、歌を詠む。すると朽ち木の桜の空洞から“夢中の翁”と名乗る老木の桜の精が現れて、「どうして桜に咎があるものか」と反論する。そして桜の名所の数々を挙げる。夜が白むとともに老翁の姿は消え、西行の夢は覚める。』
 芭蕉の句に、
 〈春の夜は 桜に明けて しまひけり〉
という句がある。一説によると、この句は、俳句に謡曲を取り入れることの多かった芭蕉が、能「西行桜」を観た夜の一興を詠んだという。芭蕉は、西行を非常に敬愛していた俳人である。

・願徳寺 (4月6日)
 勝持寺の隣に願徳寺という小さなお寺がある。京都で一番小さな拝観寺院だという。この寺の本尊は、その美しさで有名な仏像、如意輪観世音菩薩半跏像(国宝)である。
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 願徳寺は、今から千三百年以上前の白鳳8年(679)に持統天皇の願いにより日向市寺戸に創建された。当時は、南北800m東西1300mに伽藍がある大寺院だったが、応仁の乱と信長の兵火により諸堂ことごとく灰塵となり、江戸時代に家康の加護を受けたものの、平安時代の寺院の面影はなくなった。
 昭和に入り諸堂の荒廃が進み、本尊如意輪観音及び諸仏は昭和37年に日向市寺戸から勝持寺(花の寺)に移動安置され、本堂と庫裡は昭和48年にこの地に再建された。そして、その後平成8年12月に本尊如意輪観音及び諸仏は勝持寺から願徳寺に帰座したのである。
 国宝・如意輪観世音菩薩半跏像は、私は初めて拝観したが、何とも美しい仏像である。お顔の凛とした表情が素晴らしく、衣の流れるような表現が印象的である。制作は1200年ほど前の平安前期、榧(カヤ)の一木造である。寺院が永年に亘り興廃の嵐にさらされてきた中で、よくぞ無傷で生き延びてきたものと思う。この仏像を敬い守ってきた歴代の名もない人々に対し、私たちは最大の敬意を表せざるを得ない。

 この如意輪観音を拝観した後、私たちは宇治に行き、宇治橋の近くにある橋寺放生院の本尊地蔵菩薩像を拝観した。この仏像が、また素晴らしい。高さ190センチ、鎌倉後期の作で、重要文化財である。金箔・極彩色の衣を身にまとった姿が極めて美しい。
 今回の京都旅行では美しい桜を堪能できたうえ、初めて拝観した二つの仏像、如意輪観音半跏像と地蔵菩薩像が予想以上に美しく、とても幸せな気持ちで東京に帰ってきた。

 

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